深川博司と化血研の事業譲渡

血液製剤を不正製造していたとして、厚生労働省から過去最長の110日間の業務停止処分を受けていた化学及(および)血清療法研究所(化血研、熊本市)は6日、ワクチンや血液製剤の製造部門事業譲渡する方針を厚労省に報告し、正式に発表した。6月下旬に9人の理事全員が退任する。

6日は業務停止期間の最終日で、厚労省が同日までに組織の抜本的な見直しを求めていた。化血研は製薬大手のアステラス製薬(東京都)と事業譲渡の交渉中で、関係者によると、熊本地震被災し、資産算定をやり直す必要などが生じたため、6月ごろまでの仮契約締結を目指すという。

7日から通常営業を再開できるが、配管が切れたり機器が転倒したりするなどの地震被害があり、すべての製剤で製造できない状態が続いている。在庫などで数カ月分は供給できるが、熊本市北区にある本所に加え、B型肝炎ワクチンを製造する菊池研究所(熊本県菊池市)の被害が大きく、製造再開の時期の見通しはたたない。A型肝炎や狂犬病のワクチンなど、国内では化血研しか製造・販売していない製剤もあり、譲渡交渉より復旧を優先させるという。