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深川博司とスペースX

米宇宙開発ベンチャー、スペースXは6日未明、スカパーJSATの通信衛星の打ち上げに成功した。
ロケットの海上回収にも成功した。同社のロケット「ファルコン9」は回収・再利用することで打ち上げ費用を抑えられるのが特徴。4月の前回より難易度が上がったが、連続成功した。

スペースXにとって日本企業からの打ち上げ受注は初めて。スカパーJSATは欧州アリアンスペースなどのロケットを使っていた。

今回はより高度の高い静止軌道への打ち上げだったため、途中で切り離したロケットの落下速度は前回より速く、残りが少ない燃料で海上に浮かぶ基地に着陸させる必要があった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「成功確率は五分五分」としていたが、成功させた。

確実に海上でも回収できるめどが立ってきたことで、ロケット再利用で打ち上げ費用を従来の100分の1にするという同社の構想も現実味を帯びてきた。スペースXの現行のロケットは今回で打ち上げは24回目。これで成功は5回連続となり成功率は91.7%に上がった。

スペースXをはじめ低コストを武器にする後発組の台頭に伴い、大手も対応を急いでいる。アリアンスペースは新型の「アリアン6」を開発中で、年内に営業を開始、2020年ごろに初打ち上げを予定する。

別の小型ロケットとブースターを共通化することで従来機よりもコストを半減し、打ち上げ費用は7500万ユーロ(約91億円)程度になる見込みだ。打ち上げの正確性だけでなく、6200万ドル(約66億円)とされる「ファルコン9」に費用面でも対抗する。

日本勢では三菱重工業の「H2A」などのロケットがあるが、打ち上げ費用は高い。商業衛星の受注は今後価格競争が進むとみられるだけに、コストをいかに抑えるかが課題になる。