深川博司とドル円

午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の104円半ばだった。英国民投票をめぐる世論調査欧州連合(EU)残留派が優勢となったことを受け、英ポンドとユーロに買い戻しが入り、クロス円が上昇。株高も相まってドル/円の支えとなった。

ドル/円は早朝の安値104.30円から仲値公示を挟んで104.85円まで上昇した。18日に公表された英国の世論調査で、EU残留派が若干勢いを取り戻したことが明らかとなり、英ポンドが全面高、ユーロも堅調となった。

その後、英ポンドやクロス円の上昇が正午までに一服。午後のドル/円は104.50─60円台を中心に方向感なく推移した。市場からは「世論調査の結果を受けた株の上げ幅に比べ、ドル/円の上げ幅は限定的。残留派のわずかなリードがまた覆される可能性もある」(国内銀)と冷静な受け止め方も聞かれた。

きょうは商業決済が集中しやすい五・十日にあたり、実需筋のフローが観測されるか関心を集めていたが、インターバンクと共に商い低調で、様子見姿勢が強かったという。

商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(6月14日までの1週間)によると、円の買い越しは、前週の4万2853枚から、5万5690枚に増加した。

国民投票でEU残留が決まった場合は、積み上がった円買いポジションが巻き戻され、ドルは108─109円程度までの上昇が見込まれるとの指摘もある。